『ミセス・ハリス、パリへ行く』は温もりのある情の機微を描いた英国映画らしいコメディ。

 かつてのイーリング・コメディや、1950年代から1960年代はじめまで盛んだったキッチン・シンク・リアリズムの例を挙げるまでもなく、英国映画は庶民の哀歓を巧みに描いた傑作が多い。生活感漂う状況のなかで、社会を支える労働 … 続きを読む 『ミセス・ハリス、パリへ行く』は温もりのある情の機微を描いた英国映画らしいコメディ。

『パラレル・マザーズ』は、ペドロ・アルモドバルがまたも母親を題材に問いかける葛藤のドラマ!

 スペインの匠、ペドロ・アルモドバルが、分身ともいえる映画監督を主人公に据えた自伝的要素の強い『ペイン・アンド・グローリー』を発表してから2年。早くも新作が登場した。2020年にはティルダ・スウィントンを主演に迎えた短編 … 続きを読む 『パラレル・マザーズ』は、ペドロ・アルモドバルがまたも母親を題材に問いかける葛藤のドラマ!

『アムステルダム』は驚くべき陰謀論が繰り広げられる、コミカルで弾けた“ほぼ実話”!

 アメリカ映画界のなかで、デヴィッド・O・ラッセルは間違いなく異彩を放つ存在となっている。  初の長編映画、1994年の『Spanking the Monkey』 でインディペンデント・スピリット賞に加えサンダンス映画祭 … 続きを読む 『アムステルダム』は驚くべき陰謀論が繰り広げられる、コミカルで弾けた“ほぼ実話”!

『クリエーション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』は英国ショービジネス成り上がり痛快実話!

 アフリカ系のスターがかつて「我々が成り上がるにはスポーツかショービジネスの世界しかなかった」という名言を述べたことがある。最近のように格差が広がってくると、このことばは今では誰にでも通用する気がしてくる。  大して学歴 … 続きを読む 『クリエーション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』は英国ショービジネス成り上がり痛快実話!

『RRR』は英国植民地時代のインドを舞台にしたシリアスな男と男の闘いの物語。熱狂の歌と踊りつき!

 インド映画の面白さはもはや日本でも知られている。膨大な作品数を誇る映画大国、インド。製作された作品群のなかより厳選されたものが上陸するのだから、どれも見応え十分なのは当然だ。アクション、シリアス、コメディ、人間ドラマと … 続きを読む 『RRR』は英国植民地時代のインドを舞台にしたシリアスな男と男の闘いの物語。熱狂の歌と踊りつき!

『七人樂隊』はかつての香港と香港映画に思いを馳せた、感涙のオムニバス作品!

 ふりかえってみると、20世紀後半の1970年代あたりから香港映画は日本でも大きな脚光を浴びていた。  ブルース・リーというスーパースターが呼び水となってカンフー映画が流行し、一方でキン・フーの武侠映画がカンヌ国際映画祭 … 続きを読む 『七人樂隊』はかつての香港と香港映画に思いを馳せた、感涙のオムニバス作品!

『マイ・ブロークン・マリコ』は友への思いの強さで疾走するヒロインが潔い、心に沁みる人生ドラマ!

 2021年に紹介した『浜の朝日の嘘つきどもと』の異色監督、タナダユキの新作である。描き出すキャラクターの個性と紡がれるストーリーのユニークさで、彼女の監督作は常に評価が高いが、本作はストレートに情感が迫ってくる。見る者 … 続きを読む 『マイ・ブロークン・マリコ』は友への思いの強さで疾走するヒロインが潔い、心に沁みる人生ドラマ!

『渇きと偽り』は干ばつに苦しむオーストラリア農業地帯を背景にした本格ミステリー快作。

 英国推理作家協会(CWA)の最優秀長編賞ゴールド・ダガー賞に輝いた、オーストラリア発のミステリー映画化である。  原作者のジェイン・ハーパーは英国のマンチェスター生まれでオーストラリアに移住。ジャーナリストの経験を経て … 続きを読む 『渇きと偽り』は干ばつに苦しむオーストラリア農業地帯を背景にした本格ミステリー快作。

『クリーン ある殺し屋の献身』は寡黙な主人公が過去の話題作のヒーローを想起させるクライム・アクション!

 近年、アメリカでも格差が広がり、大都会はそれこそさまざまな階層の人々がひしめき合い、互いに牙をむきあう状況が生まれている。先の見込みのない閉塞状況は今や世界的な問題。アメリカはそれが顕著に表れる。こうなると、もはやアメ … 続きを読む 『クリーン ある殺し屋の献身』は寡黙な主人公が過去の話題作のヒーローを想起させるクライム・アクション!

『グッバイ・クルエル・ワールド』はクズばっかりのキャラクターが織りなすクライム・エンターテインメント!

 ワケアリの男たちが集って犯罪を企てるという、もはや定番と化した展開は、古くはフランスやアメリカで多くつくられ、香港ノワールとして盛り上がった時期もあった。決定打はクエンティン・タランティーノがオフビートに復活させたこと … 続きを読む 『グッバイ・クルエル・ワールド』はクズばっかりのキャラクターが織りなすクライム・エンターテインメント!

by Takaki Inada