『チャンシルさんには福が多いね』は韓国映画界の女性監督の台頭を実感させてくれる、素敵な人間喜劇。

 昨年は『パラサイト 半地下の家族』がアメリカ・アカデミー賞の作品、監督、脚本、国際長編映画賞の4部門を制覇するとともに、興行的にも成功した。韓国映画の実力の高さをコアではない映画ファンにも広く知らしめることとなり、注目 … 続きを読む 『チャンシルさんには福が多いね』は韓国映画界の女性監督の台頭を実感させてくれる、素敵な人間喜劇。

『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』は往年の香港アクション・コメディをほうふつとする痛快作!

 シンプルなストーリーに散りばめる圧倒的なアクションとスタント。往年の香港アクションの醍醐味はここにあった。思い起こせばブルース・リーが先陣を切り、ジャッキー・チェンやジェット・リーが継承した、本物のアクションで勝負する … 続きを読む 『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』は往年の香港アクション・コメディをほうふつとする痛快作!

『ソング・トゥ・ソング』は音楽業界を背景にしたテレンス・マリックならではの内省型ラブストーリー。

 今年2月に紹介した『名もなき生涯』に続くテレンス・マリック監督作である。1978年の『天国の日々』を発表した後に、1996年の『シン・レッド・ライン』で復帰するまで長いブランクのあったマリックは寡作の監督とみなされてい … 続きを読む 『ソング・トゥ・ソング』は音楽業界を背景にしたテレンス・マリックならではの内省型ラブストーリー。

『ワンダーウーマン 1984』はバブル期を背景に、どこまでも華麗で胸弾む、寓意に富んだアクション大作!

 コロナ禍で公開を差し控えるアメリカ映画にあって、本作は正月公開を断行した。アメリカン・コミック原作になる屈指の大作なのだから、『TENET テネット』の9月公開ともども、配給したワーナー・ブラザース映画の姿勢を称えたく … 続きを読む 『ワンダーウーマン 1984』はバブル期を背景に、どこまでも華麗で胸弾む、寓意に富んだアクション大作!

『パリのどこかで、あなたと』は人と人との絆を軽妙に問いかけた、心優しき愛のコメディ。

 フランス映画の歴史をひも解けば、無声映画時代のアベル・ガンスやルネ・クレール、ジャン・ルノワールの昔から、フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダールなどのヌーヴェル・ヴァーグの匠たちなどが頭に浮かぶが、近年に … 続きを読む 『パリのどこかで、あなたと』は人と人との絆を軽妙に問いかけた、心優しき愛のコメディ。

『ニューヨーク 親切なロシア料理店』は、不寛容な時代なればこそ触れ合いが大切だと教えてくれる人間喜劇。

 他人に対する興味や思いやりが失われた社会で、私たちは閉塞感のなかで余裕なく生きている。これまでは人と人とが接して密なる関係を紡ぐことで、ハードな世界を生き抜いてきたが、コロナ禍でそれさえも許されなくなってしまった。   … 続きを読む 『ニューヨーク 親切なロシア料理店』は、不寛容な時代なればこそ触れ合いが大切だと教えてくれる人間喜劇。

『サイレント・トーキョー』は迫力十分、リアルな味付けの疾走するクライムサスペンス。

 コロナ禍によって、これまでの常識が一切覆ってしまった。  人と人とのつきあいもソーシャル・ディスタンスとやらを求められ、口角泡を飛ばす議論などとんでもない。対角線に座って、食事を口に運んだらマスクをすること。出来るだけ … 続きを読む 『サイレント・トーキョー』は迫力十分、リアルな味付けの疾走するクライムサスペンス。

『ボルケーノ・パーク』は火山大噴火をクライマックスにした問答無用の中国製パニック・スペクタクル!

 もはや中国の映画市場は世界最大となっている。アメリカ映画界はとっくに日本を見限り、プロモーションでも何でも中国優先のスタンスをとっている。少しでも中国人が喜ぶように中華系のキャラクターを作品に登場させることから始まって … 続きを読む 『ボルケーノ・パーク』は火山大噴火をクライマックスにした問答無用の中国製パニック・スペクタクル!

『THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~』は震戦に住む思春期の少女に焦点を当てた、瑞々しい成長の物語。

 昨年あたりから香港が騒がしい。それもこれも香港を本土並みの統制下におきたい中国政府が、一国二制度のルールに踏み込んできたことに起因する。そもそもこの制度自体に無理があったのは自明のことだ。  本作は一国二制度によって起 … 続きを読む 『THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~』は震戦に住む思春期の少女に焦点を当てた、瑞々しい成長の物語。

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は20世紀アメリカ文学の異端児の軌跡を綴る、素敵なドキュメンタリー。

 伝記ドキュメンタリーの面白さは、当たり前のことだが、軌跡を辿る人物の魅力に左右される。見る者を惹きこむような偉業を成した人物、あるいはスキャンダラスな軌跡を歩んだ存在であれば思わず食指が伸びるはずだ。  本作は題名を見 … 続きを読む 『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は20世紀アメリカ文学の異端児の軌跡を綴る、素敵なドキュメンタリー。

by Takaki Inada