inadatakaki のすべての投稿

1948年生まれ。映画解説者  雑誌の編集から原稿をを書くようになり、現在に至る。

『マダム・ウェブ』はマーベル・コミックから生まれた、スリリングなサスペンス!

 アメリカン・コミックを原作にする映画は数多くつくられ、ヒーローのみならず仇役を主人公にした作品まで登場するようになった。ヒーローには培ったイメージを守ることや資質を問われるけれど、仇役やサブキャラクターに焦点を当てると … 続きを読む 『マダム・ウェブ』はマーベル・コミックから生まれた、スリリングなサスペンス!

『落下の解剖学』はヒリヒリするような緊張感に貫かれた、人間の深奥に迫るミステリー!

 2023年のカンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルムイ・ドールに輝き、本国フランスではジワジワと支持を集めてヒットを記録。この3月3日に行われるアメリカのアカデミー賞では、作品、監督、主演女優、脚本、編集の5部門にノミネ … 続きを読む 『落下の解剖学』はヒリヒリするような緊張感に貫かれた、人間の深奥に迫るミステリー!

『瞳をとじて』はビクトル・エリセが31年ぶりに発表した、心に沁み入る傑作。

 映画という表現が誕生してから130年近い歳月が経過し、世界各国の匠たちが歴史を彩ってきた。今では数多くの個性が輩出し、多様な映画が妍を競う状況に至っている。  見る者の感性によって、鮮烈に焼き付いた存在もさまざまだろう … 続きを読む 『瞳をとじて』はビクトル・エリセが31年ぶりに発表した、心に沁み入る傑作。

『ダム・マネー ウォール街を狙え!』はアメリカでコロナ禍で起きた痛快な実話コメディ!

 ふり返ってみると、コロナ禍は人間社会に決定的な影響を与えた。  大きかったのは未知の病を恐れるあまり、人と人との関係に壁を作ってしまったことにある。親しく接することが憚られ、人と会うこともままならない状態が長く続いた。 … 続きを読む 『ダム・マネー ウォール街を狙え!』はアメリカでコロナ禍で起きた痛快な実話コメディ!

『哀れなるものたち』はヨルゴス・ランティモスが描く、過激で痛快な女性の一代記。

 オリジナリティを重んじる分野では、唯一無二というか、他人と異なる個性の持ち主が脚光を浴びがちだ。個性的なものすべてが素晴らしいとはいえないが、なかにはこれまでのセオリーを塗り替えるような作品も出てくる。  個性が百花繚 … 続きを読む 『哀れなるものたち』はヨルゴス・ランティモスが描く、過激で痛快な女性の一代記。

『ゴールデンカムイ』は北海道を舞台にした、大ヒットを狙う壮烈アクション!

 もはや人気コミックを原作にすることが映画のヒットの前提条件になっているかのようだ。ヒットを重ねている『キングダム』の例を挙げるまでもない。認知度の高さが興行を大きく左右するのは自明のことだ。  そのセオリーを熟知してい … 続きを読む 『ゴールデンカムイ』は北海道を舞台にした、大ヒットを狙う壮烈アクション!

『燈火(ネオン)は消えず』は今はなき情緒にあふれた香港を懐かしむ、細やかな愛のドラマ。

 20世紀の香港は通り狭しと突き出た極彩色のネオンが夜のトレードマークだった。猥雑で人間味豊か、温もりを感じさせ雰囲気が通りに満ちていた。だが、それも中国本土に返還されるまでのこと。本土の意向に沿って、香港は無機質な近代 … 続きを読む 『燈火(ネオン)は消えず』は今はなき情緒にあふれた香港を懐かしむ、細やかな愛のドラマ。

『シャクラ』は香港アクションがさらなる高みに至った、ドニー・イェンの武侠大作!

 香港映画のアクションが秀でていることはつとに知られている。今でこそVFXやCGを併用しているが、ワイヤーワークを駆使した殺陣の素晴らしさは他の追従を許さなかった。世界的に注目されるようになったのはブルース・リーの頃から … 続きを読む 『シャクラ』は香港アクションがさらなる高みに至った、ドニー・イェンの武侠大作!

『サンクスギビング』は弾けた恐怖描写でニヤリとさせられるイーライ・ロスの最新作!

 ホラー映画、スラッシャー映画には話題性を煽る要素が必要だ。名作のリメイクとか、「全米で失神者続出!」の惹句などは何とか差別化せんとの思いの表れだ。  本作の場合はクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが20 … 続きを読む 『サンクスギビング』は弾けた恐怖描写でニヤリとさせられるイーライ・ロスの最新作!

『PERFECT DAYS』は往年の日本映画の機微に満ちた、ヴィム・ヴェンダース作品。

 ヴィム・ヴェンダースの名を知ったのは、未だドイツが東西に分断されていた、1970年代後半だった。当時、西ドイツの若手監督たちが個性的な作品を次々と生み出すムーブメントが起こった。作品は“ニュー・ジャーマン・シネマ”と呼 … 続きを読む 『PERFECT DAYS』は往年の日本映画の機微に満ちた、ヴィム・ヴェンダース作品。