
8月22日(金)より、TOHOシネマズ日比谷、丸の内ピカデリー、109シネマズ プレミアム新宿、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国公開
配給:キノフィルムズ
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公式サイト:https://ballerina-jwmovie.jp/
近年、アクション映画の成功例として目を引くのが、キアヌ・リーヴス主演の『ジョン・ウィック』シリーズだ。
全編、ただただ向かい来る敵を倒す、自らが生存するためのストーリーは回を重ねるごとにスケールが広がり、アクションも華麗になっていった。まさにリーヴスの当たり役ともいえる。「ノンストップ・キリングアクション」のキャッチフレーズのもとに世界を熱狂させたシリーズは2023年の第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』で一応の決着を見たが、新作への期待は高まるばかりだ。
その余勢を駆って登場したのが本作ということになる。『ジョン・ウィック』の世界観そのままに、新たな復讐のヒロインを設定。凄まじいアクション世界を構築している。
『ジョン・ウィック』シリーズすべての作品の監督を務めたチャド・スタエルスキはプロデュースにまわり、リーヴス自身も製作総指揮に名を連ねる。
脚本は『ジョン・ウィック:パラベラム』と『ジョン・ウィック:コンセクエンス』にも参加したシェイ・ハッテン。次代を担うと目されているハッテンはジョン・ウィックの世界を巧みに踏襲しながら、タフなヒロインの復讐譚を編み上げている。
しかも監督に起用されたのが『アンダーワールド』や『ダイ・ハード4.0』などで知られるアクション派、レン・ワイズマン。オリジナル・シリーズのアクション技法の上に、さらなるけれんを持ち込み、ひたすら痛快な殺陣で押し通してみせる。
主演は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で注目されたアナ・デ・アルマス。過酷なトレーニングを経て、スタント、殺陣に磨きをかけ孤高のヒロインを熱演している。
共演陣も個性派が揃っている。『処刑人』やテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」で知られるノーマン・リーダーズ、『ユージュアル・サスペクツ』のガブリエル・バーンなどが居並ぶ。
本作はジョン・ウィックの世界の別ストーリーとして描かれるということで、ジョン・ウィックのゆかりの人たちも登場することになる。ストーリー自体が『ジョン・ウィック:パラベラム』と交錯しているのだ。したがってウィック役のキアヌ・リーヴスをはじめ、コンチネンタルホテルの支配人役のイアン・マクシェーン。コンシェルジュ役のランス・エリック、ロシア系犯罪組織、ルスカ・ロマのディレクター役のアンジェリカ・ヒューズトンも顔を出す。ファンは感涙。まことに豪華なキャスティングである。
孤島で父と暮らすイヴは突如、謎の武装集団に襲われ、父は娘を逃して息絶える。
悲しみに暮れる娘の前に、コンチネンタルホテルの支配人が現れ、イヴに暗殺者とバレリーナを養成する組織ルスカ・ロマを紹介する。イヴは孤児を集めて育てるルスカ・ロマの一員となった。
12年後、バレリーナで一流の暗殺者に成長したイヴは、父を殺したのが暗殺教団であり、その手がかりを掴む。だが、暗殺教団とルスカ・ロマは不戦の協定を結んでいた。
掟に従わず、教団への復讐に単身で乗り出したイヴ。その行動を防ぐため、ジョン・ウィックが姿を現す――。
全編、アクションに次ぐアクション。拳銃を使った格闘術「ガン・フー」を駆使した殺陣をはじめ、火炎放射器や放水ホースを巧みに使ったスタントまで、趣向を凝らしたアクションが次々と披露される。ここにはモラルを超越し、痛快さのみを追求した映像で満たされている。ひたすら爽快、スタイリッシュ。裏社会の攻防をここまで派手に見せてくれたらいうことはない。レン・ワイズマンはひたすら誇張された裏社会を爽快に破壊しつくしてくれる。絵空事として分かっているからこそ、安心して埋没していられるわけだ。
ヒロインのアナ・デ・アルマスは体当たりでアクションをこなし、演技も無難にこなしている。ラテン系の派手な容貌がアクションのみならず、多彩な役柄が期待されている。今後が楽しみな女優である。
それにしてもキアヌ・リーヴスのいい人ぶりが分かる。仲間たちを盛り上げるために、製作総指揮に名を連ねるばかりではなく、しっかりと客演してみせるあたり。どこまでも人がいい印象だ。しかもちゃんと存在感を維持しているのだから大したものだ。
エンターテインメントに徹して、超ド級のアクションを貫く。夏にふさわしい1本である。