『search/#サーチ2』はデジタル画面上で繰り広げられる、仕掛けに富んだサスペンス!

『search/#サーチ2』
4月14日(金)より、TOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ新宿、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか、全国の映画館で公開!
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:https://www.nazoshisya.jp/search2/

 2018年、PC画面上の映像で展開する“斬新な映像体験”で『SEARCH/サーチ』は世界的なヒットを遂げた。ふだん見慣れたPC画面がサスペンスをもたらす発想は多くの支持を集め、巧みな語り口がセンセーションを巻き起こした。低予算の製作費にもかかわらず、世界の興行収入は7500万ドルを記録。脚本・監督を担った、インド系のアニーシュ・チャガンティの名を一躍知らしめた。

 となれば、この斬新な企画をシリーズ化できないものかと考えるのが映画界。チャガンティは自ら『RUN/ラン』の監督を引き受けていたので、脚本を書いたセヴ・オハニアンと自分は原案とプロデュースにまわり、脚本と監督はウィル・メリックとニック・ジョンソンに任せることにした。

 メリックとジョンソンは編集として『SEARCH/サーチ』に参加し、『RUN/ラン』にも参画している。チャガンティの発想は理解しているが、前作と同じ展開で勝負しても仕方がない。日進月歩で進化し続けているデジタル世界の現在を活かして、前作よりもスケールの大きなストーリーになるように知恵を絞った。

 出演は『ワイルド・ロード』などで注目される若手女優ストーム・リード。共演は監督の貌も持つ『アルフィー』のニア・ロングに『デスペラード』などで知られる性格俳優ヨアキム・デ・アルメイダ、テレビシリーズ「LOST」のケン・レオン、テレビシリーズ「クリミナル・マインド 国際捜査班」のダニエル・ヘニーなど、個性的な顔ぶれが揃っている。

 18歳のジューンの母、グレイスが恋人ケヴィンとコロンビアに旅行中、行方不明になった。ロサンゼルスで留守番をしていたジューンは警察、大使館に掛け合うが手がかりはない。   

 彼女はSNS、あらゆる検索サイト、アプリを駆使して、世界中のデジタルリソースと繋がって、母の捜索に乗り出す。加えて、コロンビアの便利屋を雇って現地の捜査に乗り出す。

 スマホの位置情報、監視カメラ、銀行の出入金記録などの記録があるはずなのに、母親は忽然と姿を消している。SNSなどで、出来事は瞬く間に拡散し、憶測を呼び、大きなトレンドになっていく。

 さらに事件は二転三転。思わぬ広がりを見せるとともに、ジューンも安穏としていられなくなる――。

 いささかの予断も許されず、ストーリーに翻弄される心地よさがある。スピーディな演出に徹したメリックとジョンソンに拍手を贈りたくなる。細かい伏線が張り巡らされているので油断はできない。

 予期しないツイストの連続に、見る者はヒロインとともにデジタル探偵になった心地になる。事件の真相は予想を超える展開をみせるので嬉しくなる。デジタル画面上でロサンゼルスとコロンビアが交錯する面白さ。チャガンティと監督たちはじめ、製作チームがアイデアを出し合い、観客を巧みにミスリードしていく。騙される快感に溢れている。

 ヒロインを演じるストーム・リードはいかにもデジタル機材を易々と使いこなし、今を生きる少女のリアリティが伝わってくる。コロンビアの便利屋役のヨアキム・デ・アルメイダは南米にいそうな胡散臭いけど、気のいいオッサンのイメージ。クセのある顔ぶれの競演が、観客に仕掛けられた謎は予想外の展開を見せ、驚くべきクライマックスに誘われる。

 卿を殺ぐので詳細は見てのお楽しみ。ミステリー好きならば一見に値するといっておきたい。果たして第3弾は製作されるのか。期待して待ちたい。