『ドミニク 孤高の反逆者』は南米コロンビア産、ハードな銃撃戦が嬉しいカタルシス満点アクション!

『ドミニク 孤高の反逆者』
11月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:彩プロ
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公式サイト:https://dominique.ayapro.ne.jp/

 とにかく強い、ひたすら強い。今でいえば、アメリカならジェイソン・ステイサム、韓国ならマ・ドンソク辺りに止めを刺すか。リアリティなどクソくらえ。ひたすら見る者の胸をスカッとさせるヒーローは、これほど生きにくくなった世界には必要なのだ。

 もちろん男性に限ったことではない。振り返ればジーナ・ローランズがひたすら恰好良かった『グロリア』や、シガーニー・ウィーヴァーが「今度は戦争だ!」と暴れまくった「エイリアン2」など、女性がタフかつハードボイルドにヒロイズムを謳歌する作品も近年さらに増えてきている。

 本作はその代表格といえようか。このヒロインはひたすら強い。タフだし人を倒すことなど躊躇しない。ただただ敵となる奴を排除する。こういう潔い存在はひたすら痛快だ。しかも舞台はおあつらえ向きの南米、コロンビア。腐敗と暴力が横行する地域を舞台にヒロインが持てる力を敢然と出し切る趣向だ。

 脚本を書き、メガフォンを取ったのはマイケル・S・オヘダ。リベンジ・アクションを得意にする監督で、テレビ映画などで地道に活動していたが、2013年に発表した『サベージ・キラー』がクエンティン・タランティーノに褒められたことで注目されることとなった。カタルシス重視のリベンジ・アクションを得意とする人で、本作では理屈抜きのキャラクターを生み出すことに成功し、評価は高い。

 なによりヒロインのキャラクター設定が抜群だ。主人公のドミニクはウクライナ出身で戦闘のスキルを身につけた女性。あらゆる戦いの技術を極め、タフに生き抜いてきた。そんな彼女がコロンビアの無法地帯に足を踏み入れたことから戦いの幕が切って落とされる。

 主演はオクサナ・オルラン。ウクライナと北欧の血をひき、長身ゆえにモデルとしても活躍。マーシャルアーツの素養もあり、女優としては2002年のマイケル・S・オヘダ作品『Lana’s Rain』に主演、2018年に同監督の『コカイン・ブライド』に淳主演するなど、着実に歩みを進めてきた。本作は彼女のアクションスターとしての魅力を最大限に発揮できたものとなった。

 共演は『エンド・オブ・ウォッチ』のモーリス・コンプトをはじめ、あまりなじみはないが、コロンビアという地域にふさわしい顔ぶれが選りすぐられている。これはアメリカとコロンビアの合作として製作された。

 セスナ機が撃墜された。乗っていたウクライナ人女性ドミニクは、セスナを攻撃したカルテルのメンバーをただちに倒し、荷物を隠すと小さな街に流れつく。

 そこで知り合った男と一夜をともにするが、彼は警察官だった。

 警官の家族とともにしばし平穏な日常を過ごすが、街を牛耳る腐敗した警察と麻薬カルテルによってフリオは惨殺されてしまう。

 家族にも危険が迫ると察したドミニクは。スキルを解き放ち悪党たちに鉄槌を下す――。

 背中に不死鳥のタトゥーを彫り込み、鬼神のように敵を倒しまくるヒロインの姿に惚れ惚れする。戦闘能力の高さは言うまでもないが、後半は子供や乳飲み子を抱えての戦いはハンデがついて危機の連続。監督のマイケル・S・オヘダはこういうところもリアルに徹し、ハードに描きまくる。見せ場に次ぐ見せ場、逃避行のクライマックスから最後まで、グイグイと引っ張っていく。

 オクサナ・オルランの不愛想な表情もいい。前半に濡れ場を用意しつつも甘くならず、ドミニクのキャラクターをクールに決めて見せる。どうやら続編の計画もあるらしいので期待したいところだ。

 とにかく南米が舞台にふさわしく、直情的で暴力的、残酷画面も網羅された一遍。リベンジ・アクション好きにはお勧めできる仕上がりだ。