
8月8日(金)より、TOHOシネマズ日比谷、丸の内ピカデリー、109シネマズプレミアム新宿、新宿バルト9ほか全国ロードショー
配給:東宝東和
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公式サイト:https://www.jurassicworld.jp/
マイケル・クライトンの原作をスティーヴン・スピルバーグが手掛けて世界的なヒットを記録した『ジュラシック・パーク』が発表されたのは1993年のこと。太古の琥珀に封じ込められたDNAから遺伝子工学を駆使して恐竜を蘇らせるという秀抜なアイデアのもと、スピルバーグの巧みな演出によって作品はセンセーションを巻き起こした(同じ年に並行して『シンドラーのリスト』を発表したのだから。スピルバーグの旺盛な創作意欲には頭が下がるばかり)。
ヒットの余勢を駆って1997年には『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』を送り出した。前作の孤島の恐竜の暴れぶりから、今度は街角に進出して猛威を振るう展開。きっとスピルバーグは『ゴジラ』のような怪獣映画が作りたかったと思わせる演出ぶりだった。
この時点でスピルバーグは怪獣を満喫したのか、『ジュラシック・パーク III』(2001)では製作総指揮にまわり、SFX出身のジョー・ジョンストンに監督を任せた。ジョンストンはスピルバーグほどのケレンがなく、今ひとつ盛り上がりに欠ける仕上がりとなった。
シリーズはここでは終わらなかった。2015年に装いも新たに『ジュラシック・ワールド』が登場。アミューズメント・パークとして恐竜たちが多数暮らす島で起こる一大パニックをパワフルに描き出して、世界的なヒットを記録。スピルバーグは製作総指揮、新鋭のコリン・トレヴォロウが勢いのあるエンターテインメント世界を構築してみせた。この作品の成功により、動物行動学者オーウェンを主人公にした『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が2018年に発表された。恐竜たちのいる島が火山噴火の危機に瀕し、オーウェンたちが救出に奔走するストーリーとなった。
続く2022年の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』では世界中に放たれてしまった恐竜たちとの共存を模索する人間たちの姿を描いた。ここにおいて『ジュラシック・パーク』の主要キャラクターが参加する仕掛けが明らかになり、30年近いシリーズがひとつの区切りを迎えたようにみえた。
だが、このドル箱シリーズが終わるはずがなかった。満を持して本作が名乗りを上げた。『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』に連なる世界観のもと、新たなる登場人物が繰り広げるサバイバル・アドヴェンチャーとなっている。
舞台は前作から5年後。世界中に放たれた恐竜たちは気候や環境に耐えられずに数を減らし、赤道直下の限られた地域にのみ生存している設定だ。
スピルバーグは製作総指揮に留まり、監督は『GODZILLA ゴジラ』で巨獣映画の経験があるギャレス・エドワーズ。特筆すべき点は、脚本に『ジュラシック・パーク』や『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』を生み出したデヴィッド・コープが復活したことだ。新たなキャラクターとともに恐竜世界に分け入る。この設定を託すにはコープのようなベテランの手練れがふさわしいわけだ。
時代にふさわしく主人公はタフで美しいヒロイン、ゾーラ・ベネット。秘密工作を専門に行うプロだ。彼女は製薬会社から、陸・海・空の恐竜たちのDNAを採取する任務を任される。彼女は頼りになる仲間たちを集め、かつて極秘研究がおこなわれていた島に向かう。
途中、ヨットで遭難したファミリーを助けるアクシデントはあったが、チームは計画を優先してともに島に向かう。そこは予想をはるかに超える危険が待ち受ける世界だった――。
得体のしれない島、いつ襲ってくるかわからないサスペンスのなかを探検する面白さ。まこと冒険ものの醍醐味を満喫させてくれる。恐竜たちの出現の仕方をはじめ、驚きの真相が次々と明らかになる展開はエドワーズの怪獣映画王道の語り口。予備知識なしに世界に埋没するのが正解だ。
さらに、ゾーラを演じるスカーレット・ヨハンソンをはじめ、相棒的な存在の傭兵を演じるマハーシャラ・アリ、古生物学者役のジョナサン・ベイリーなどの個性派の競演が作品に魅力を加味している。
スピルバーグの拓いた世界は後進の若手が脈々と広げている。面白怖い世界はエンターテインメントの王道。存分に楽しめる作品だ。