
9月4日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、丸の内ピカデリー、109シネマズプレミアム新宿、新宿バルト9ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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公式サイト:https://a24jp.com/films/backrooms/
映像が身近なものとなり、誰もが容易く作品をつくれる時代となった。となればケイン・パーソンズのようなシンデレラ・ストーリーがあっても不思議はない。これまでの映画道とは異なるクローズアップのされ方で、なんと20歳の若さでヒットメーカーの称号を手にした。
独学で映画製作とVFXを学び、まずYouTubで短編『THE BACKROOMS(FOUND FOOTAGE)』を発表。たちまちのうちに注目を浴びる存在となった。生み出した不気味な映像は拡散し、シリーズ累計で1億9千万回以上の再生回数を記録。インターネット発の次世代ホラークリエイターの地位を築き上げた。
本作誕生にあたっては、勢いのあるA24が後押しし、『ソウ』や『アクアマン』、『死霊館』などの匠ジェームズ・ワンも製作に名を連ねている。
パーソンズが17歳のときに映画化企画が始動し、A24でプロデュースも務めるウィル・スディークとともに脚本をまとめると、19歳で撮影。20歳で公開されるや全米のみならず世界的ヒット、興行収入ナンバー・ワンに輝いたのだから恐れ入る。この題材はネットの世界では既に知られ、注目度が高まっていたのだ。
普段なら人がいるはずなのに誰もいない空間。どこか不気味な印象のあるこうした場所をリミナルスペースと呼ぶらしい。どこかリミナルスペースは日本の『8番出口』を想起させるが、もはや都市伝説に数えられているらしい。これを題材に、不条理で人を不安にさせるストーリーが繰り広げられていく。
出演は『それでも夜は明ける』でアカデミー主演男優賞にノミネートされたことのある演技派俳優キウェテル・イジョフォーに、『わたしは最悪。』などでノルウェーを代表する俳優と謳われるレナーテ・レインスヴェ。さらに『スキャンダル』のマーク・デュプラス、『ウォーフェア 戦地最前線』のフィン・ベネット、『AFRAID アフレイド』のルキータ・マクスウェルなど、実力のあるキャストが組まれている。
客の来ない家具店を営むクラークは、ある日、地下に「あるはずのない隙間」を発見する。
その先に広がっていたのは壁の裏側へと抜け落ちるように続く、全面が黄色い壁紙の異様な空間。巨大な迷宮だった。
奇妙なバランスで積み上げられた家具、果てしなく続く迷路のような部屋。どこからともなく断片的なアナウンスが聞こえてくるが、呼びかけても応答はない。
クラークはセラピストのメアリーにこの空間について説明したが信じてもらえず、突如として消息を絶ってしまう。
メアリーはクラークの行方を追ってバックルームズに足を踏み入れると、そこは出口なき悪夢世界だった――。
このタイプの作品はあまり詳細を知らない方が驚きは倍加するはず。何が起こるか、起こらないか。ただ画面を見つめ、翻弄されるのが醍醐味だ。不条理な世界に足を踏み入れ、起こることに素直に反応することが楽しむコツだろう。
監督の若さをカバーするように、俳優陣が巧みな演技を披露している。クラーク役のキウェテル・イジョフォーがこんなキャラクターに挑むなんて意外な気もするが、だからこそ作品に惹きこまれるかたちとなる。このキャスティングは最高である。
とりあえず第1作は大成功だったケイン・パーソンズ。次作はどんな貌をみせてくれるだろう。期待して待ちたい。