『ミニオンズ&モンスターズ』は映画愛に溢れた、アナーキーで奇想天外な一大スペクタクル!

『ミニオンズ&モンスターズ』
8月7日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、、109シネマズプレミアム新宿、新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
配給:東宝東和
© Universal Studios. All Rights Reserved.
公式サイト:https://minions.jp/

 幾多のアニメーション・キャラクターのなかでも、一度見たら忘れないインパクトとキュートさを持ち合わせているのは、イルミネーション・スタジオが生み出したミニオンたちだろう。『怪盗グルー』シリーズから誕生したサブキャラクターながら、その愛らしさにおいてたちまち見る者を魅了してしまった。

 その人気の凄まじさからミニオンたち主演のシリーズが誕生し、こちらも多大な人気を博するに至った。本作はシリーズ第3弾にあたる。これまでよりさらに作り手の思いがにじみ出る仕上がりとなっている。

 仕掛けたのは『怪盗グルー』と『ミニオンズ』シリーズ中の4作品で共同監督を務めるピエール・コフィン。彼は全作品でミニオンズの声を担当していることでも知られているが、彼のもとにイルミネーションの創設者リス・メレダンドリから電話があり、ミニオンたちがモンスター映画をつくろうとするアイデアを提案されたという。

 コフィンは『ペット』の脚本や『ミニオンズ フィーバー』7の原案を担当したブライアン・リンチとともに脚本に挑んだ。

 モンスター映画に対して強い思い入れのあるコフィンはあえてハリウッドの創成期を舞台に据えたストーリーを構築。映画に情熱を傾けるハリウッドで、とことん大暴れするミニオンズたちの姿を描き出す。コフィンの映画愛がにじみ出るような演出ぶりだ。

 古来より最強最悪の王に従うミニオンズたちは完璧な存在に出会えぬまま、長い歴史を歩んできた。

 さすらいの末、ミニオンズたちは夢に溢れる映画の街ハリウッドにたどり着く。ひょんなことからスタジオに入り込んでしまった彼らは、監督に気に入られ、一躍、人気者となる。

 ところが、無声映画からトーキーの時代になり、台詞の分からないミニオンたちの人気は急落してしまう。

 多くのミニオンズが去るなか、映画に魅せられた存在もいた。彼らは本物のモンスターを召喚して映画をつくろうとする。

 やがてモンスターたちが次々と街に解き放たれ、ハリウッドは阿鼻叫喚の世界に陥る。しかもミニオン同士のいさかいも発生、てんやわんやのパニック状態が繰り広げられる――。

 舞台が映画の都とあって、ギャグの多くが名画ネタ。チャップリンやバスター・キートン、ハロルド・ロイドの名シーンが巧みに織り込まれる。モンスターに関してもホラー映画のセオリーに則り、最後はSF映画の趣向も加わり、一大スペクタクルにエスカレートしていく。

 つくり手たちが楽しみぬいて構築した熱気が画面から溢れ出る感じがする。映画に希望と情熱が込められた時代に対するノスタルジーすら感じさせる。なるほど独自のセオリーで動くミニオンたちでも映画には燃えるのか。いつも思うことだがイルミネーション・スタジオの作品はちょっと知性を刺激されるところがある。映画が題材ならなおさらのことだ。

 しかも声の出演者も凝りに凝っている。『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のアリソン・ジャネイ、『イングロリアス・バスターズ』のクリストフ・ヴァルツ、『クレイジー・ハート』のジェフ・ブリッジス、『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグ、『ヌーヴェル・ヴァーグ』のゾーイ・ドゥイッチまで個性派演技派が勢揃いだ。おまけにジョージ・ルーカスまで出てくるのだから応えられない(日本語吹き替え版も松平健、千葉雄大、鈴木愛理、山寺宏一など多士済々だ)。

 思わずニヤリとさせられるシーンの連続。ミニオンたちが次にどんな活躍をみせるか、楽しみでならない。