『蜘蛛の巣を払う女』は北欧の陰鬱な風景のなかで繰り広げられる、女性主導のミステリー・アクション!

 スウェーデンのスティーグ・ラーソンが発表したミステリー「ミレニアム」三部作は、内容の濃密さから、日本をふくめ世界的なベストセラーを記録した。  ベストセラーの映画化は映画界の自然の成り行き。まず本国スウェーデンではミカ … 続きを読む 『蜘蛛の巣を払う女』は北欧の陰鬱な風景のなかで繰り広げられる、女性主導のミステリー・アクション!

『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』は1960年代の熱気を実感できる素敵なドキュメンタリー!

 考えてみると、1960年代は世界各国で若者が突出した時代だった。  1950年代後半より、おとなたちが仕切っていた体制、社会が綻び、若者が反逆できる隙間が生まれた。アメリカではエルヴィス・プレスリーやジェームズ・ディー … 続きを読む 『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』は1960年代の熱気を実感できる素敵なドキュメンタリー!

『アリー/ スター誕生』は素晴らしい歌声で感動させずにおかない、ハリウッドの定番物語の最新映画化!

『アリー/ スター誕生』という作品はハリウッドが長年、培った歴史の先端にいる。  ひとりの女性の成功譚であると同時に、彼女を支えた男性との愛と葛藤のドラマという設定自体が1937年に登場した『スタア誕生』に端を発している … 続きを読む 『アリー/ スター誕生』は素晴らしい歌声で感動させずにおかない、ハリウッドの定番物語の最新映画化!

『メアリーの総て』は、エル・ファニングの魅力が際立つ、鮮烈でエモーショナルな女性映画。

「フランケンシュタイン」といえば、怪奇小説の古典として知られている。映画化作品の人造人間の恐ろしい容貌を頭に思い浮かべる人も多いはずだ。フランケンシュタインは人造人間を造った男の名前なのだが、いつのまにか人造人間を指すよ … 続きを読む 『メアリーの総て』は、エル・ファニングの魅力が際立つ、鮮烈でエモーショナルな女性映画。

『来る』は登場するキャラクターの造形に惹きこまれる、怖さ際立つエンターテインメント!

『下妻物語』や『嫌われ松子の一生』、『告白』に『渇き。』と、作品を重ねるごとに観客を強烈な映像世界に誘う中島哲也監督が4年ぶりに発表した待望の新作である。  澤村伊智が著した第22回日本ホラー小説大賞受賞作「ぼぎわんが、 … 続きを読む 『来る』は登場するキャラクターの造形に惹きこまれる、怖さ際立つエンターテインメント!

『パッドマン 5億人の女性を救った男』はインド社会のタブーに向き合った、好もしい仕上がりの実話の映画化。

 どんな題材であっても映画になることは分かっているが、時には想像を超える作品が登場して驚嘆することがある。本作はその筆頭だろう。  なにせ女性の生理用品の開発をテーマにしているのだ。しかも実話の映画化にしてインド映画とい … 続きを読む 『パッドマン 5億人の女性を救った男』はインド社会のタブーに向き合った、好もしい仕上がりの実話の映画化。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は迫力満点の映像を誇るJ・K・ローリングのファンタジー。

 2001年から2011年に渡って全8作、世界中で大ヒットした『ハリー・ポッター』シリーズは、原作ともどもファンタジーの楽しさを広く知らしめたことで特筆に値する。原作者J・K・ローリングの構築した魔法世界は熱狂的に支持さ … 続きを読む 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は迫力満点の映像を誇るJ・K・ローリングのファンタジー。

『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』はアメリカの現実を描いたリアルでハードなアクション!

『ウインド・リバー』で監督としての力量も見せた脚本家、テイラー・シェリダンの存在を注目せしめた『ボーダーライン』の続編である。  シェリダンはアメリカの顧みられない地域に眼を向け、社会が抱える格差構造を骨太なサスペンスの … 続きを読む 『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』はアメリカの現実を描いたリアルでハードなアクション!

『ボヘミアン・ラプソディ』は音楽の力を今さらながらに再認識させてくれる、胸震えるエンターテインメント!

 伝説のロックバンドやスーパースターの軌跡を描くというだけで、作品はドラマチックな輝きを帯びる(気がする)。破天荒な軌跡なのか否かは問わず、彼らの曲が持つグラマラスなイメージがそのまま映像に反映されるからだ。  そこで本 … 続きを読む 『ボヘミアン・ラプソディ』は音楽の力を今さらながらに再認識させてくれる、胸震えるエンターテインメント!

『華氏119』はひさしぶりにマイケル・ムーア節が炸裂した、アメリカ政治ぶった斬りドキュメンタリー!

『ロジャー&ミー』では故郷のミシガン州フリントを不況に陥れたGMの会長ロジャー・スミスに噛みつき、『ザ・ビッグ・ワン』は労働者を消耗品化する企業に取材してアメリカ資本主義の本質を暴いてみせる。 『ボウリング・フォー・コロ … 続きを読む 『華氏119』はひさしぶりにマイケル・ムーア節が炸裂した、アメリカ政治ぶった斬りドキュメンタリー!

by Takaki Inada