『サンクスギビング』は弾けた恐怖描写でニヤリとさせられるイーライ・ロスの最新作!

 ホラー映画、スラッシャー映画には話題性を煽る要素が必要だ。名作のリメイクとか、「全米で失神者続出!」の惹句などは何とか差別化せんとの思いの表れだ。  本作の場合はクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが20 … 続きを読む 『サンクスギビング』は弾けた恐怖描写でニヤリとさせられるイーライ・ロスの最新作!

『PERFECT DAYS』は往年の日本映画の機微に満ちた、ヴィム・ヴェンダース作品。

 ヴィム・ヴェンダースの名を知ったのは、未だドイツが東西に分断されていた、1970年代後半だった。当時、西ドイツの若手監督たちが個性的な作品を次々と生み出すムーブメントが起こった。作品は“ニュー・ジャーマン・シネマ”と呼 … 続きを読む 『PERFECT DAYS』は往年の日本映画の機微に満ちた、ヴィム・ヴェンダース作品。

『ポトフ 美食家と料理人』はトラン・アン・ユンが繊細かつ美しく描き出した料理礼賛映画!

 トラン・アン・ユンの名が鮮烈に焼き付いたのは1993年、監督デビュー作『青いパパイヤの香り』がカンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を受賞してからのことだ。ヴェトナムの出自であることも話題になった。  もっともヴ … 続きを読む 『ポトフ 美食家と料理人』はトラン・アン・ユンが繊細かつ美しく描き出した料理礼賛映画!

『枯れ葉』はアキ・カウリスマキが5年ぶ入りに生み出した、そう若くもない男女の恋の物語。

 オフビートなユーモアとともに市井のドラマが控えめに語られる。フィンランドの匠アキ・カウリスマキの温もりのある個性は世界中から愛されてきた。  1989年の『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』からはじまって1 … 続きを読む 『枯れ葉』はアキ・カウリスマキが5年ぶ入りに生み出した、そう若くもない男女の恋の物語。

『ナポレオン』はリドリー・スコットとホアキン・フェニックスが奏でる軽やかな歴史絵巻。

 映画界には新作が気になる存在がいる。クリント・イーストウッドのような重鎮がそうだし、題材を選ばぬ多彩な作品歴の持ち主も大いに気になる。  その好例が一作ごとに話題を呼ぶリドリー・スコットだろう。2021年に実録ドラマ『 … 続きを読む 『ナポレオン』はリドリー・スコットとホアキン・フェニックスが奏でる軽やかな歴史絵巻。

『香港怪奇物語 歪んだ三つの空間』は香港の現在が覗える、ちょいと怖いオムニバス作品!

 中国本土が莫大な映画人口を誇る地域なもので、アメリカ映画を筆頭にものみな本土を意識した映画となってしまった。  当然ながら、無理やり本土に組み込まれた香港は製作する映画の内容が本土志向のものに変わっていった。多くの監督 … 続きを読む 『香港怪奇物語 歪んだ三つの空間』は香港の現在が覗える、ちょいと怖いオムニバス作品!

『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』は次世代の匠が放つポップでダークなファンタジー快作!

 アメリカが多民族国家であることは論を俟たない。現在では、その出自を明らかにして“~系アメリカ人”と表記するのが一般的になっている。  近年、輩出する映画監督たちもその出自が多様化しているが、ここに紹介するアナ・リリー・ … 続きを読む 『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』は次世代の匠が放つポップでダークなファンタジー快作!

『マーベルズ』はキャプテン・マーベルがチームを組んで新たなシリーズの幕開きを告げる痛快編!

 ひさびさにマーベル・スタジオの作品を紹介する。  あまた多くのスーパーヒーローを輩出してきたこのスタジオはヒット作を連発し、世界の映画市場をリードしてきた。  ふりかえれば、数多くのヒット作の中でも、一番の盛り上がりを … 続きを読む 『マーベルズ』はキャプテン・マーベルがチームを組んで新たなシリーズの幕開きを告げる痛快編!

『ゴジラ-1.0』は山崎貴が戦後の日本をみごとに再現した、巨獣一大パニック映画!

 日本を代表する巨獣といえば、昭和29年に姿を現したゴジラに止めを刺す。日本映画を代表する怪物であり、その雄姿は見る者を魅了した。ゴジラは本多猪四郎の演出、円谷英二の特撮のもと、文字通り世界を震撼させた。以後シリーズ化さ … 続きを読む 『ゴジラ-1.0』は山崎貴が戦後の日本をみごとに再現した、巨獣一大パニック映画!

『SISU/シス 不死身の男』は痛快無比で理屈抜き、アクション映画ファンを歓喜させる快作!

 かつて大自然の国オーストラリアが『マッドマックス』を生み出したように、その国のイメージとかけ離れた作品が突然に登場することがある。世界が小さくなり、地域性が薄くなった現在でも、数は少ないもののそうした作品は生まれる。 … 続きを読む 『SISU/シス 不死身の男』は痛快無比で理屈抜き、アクション映画ファンを歓喜させる快作!

by Takaki Inada