『ミナリ』は、韓国系アメリカ人が自らの大地を得るために苦闘する姿を描いた、静かな感動を呼ぶ秀作。

 2021年2月28日(現地時間)に発表されたゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞を獲得した作品である。  現在、最も意欲的なアメリカ映画を送り出すスタジオA24とブラッド・ピット率いるPLAN Bがタッグを組んだアメリ … 続きを読む 『ミナリ』は、韓国系アメリカ人が自らの大地を得るために苦闘する姿を描いた、静かな感動を呼ぶ秀作。

『ブレイブ‐群青戦記‐』は高校生が現代から戦国時代にタイムスリップする、問答無用のSFアクション!

 コミックの映画化はもはや目新しいことではなくなった。作品の認知度が高く、アイデアに優れているとならば、映画会社が取り上げるのは当然の理。ましてヴィジュアルのイメージも出来ているのだから、小説やオリジナル・ストーリーより … 続きを読む 『ブレイブ‐群青戦記‐』は高校生が現代から戦国時代にタイムスリップする、問答無用のSFアクション!

『DAU.ナターシャ』は1950年代のソヴィエト連邦の記憶を驚くべき手法で再現した超怪作!

 映画は映像に“世界”を構築する表現だ。  語られるさまざまなストーリーに即して相応しい意匠の世界が映像に焼きつけられる。無声映画の昔から、こだわりのある製作者や監督であればあるほど、セットに凝り、本物らしさを求めた。そ … 続きを読む 『DAU.ナターシャ』は1950年代のソヴィエト連邦の記憶を驚くべき手法で再現した超怪作!

『ガンズ・アキンボ』は、ダニエル・ラドクリフ主演の理屈抜き、問答無用のガン・アクション!

『ホーム・アローン』シリーズのマコーレー・カルキンや『シックス・センス』のハーレイ・ジョエル・オスメントなどの例を挙げるまでもなく、子役で人気を博すると、成長してからの歩み方が難しい。子役時代の作品のイメージが鮮烈に焼き … 続きを読む 『ガンズ・アキンボ』は、ダニエル・ラドクリフ主演の理屈抜き、問答無用のガン・アクション!

『すばらしき世界』はひとりの男の無骨な軌跡を綴った、西川美和監督のみごとな人間喜劇。

 西川美和は疑いもなく日本映画を代表する監督だ。  2002年に『蛇イチゴ』で監督デビューを果たして以降、決して数は多くないが、どれも注目に値する作品を送り出した。オダギリジョーと香川照之の競演が話題になった2006年の … 続きを読む 『すばらしき世界』はひとりの男の無骨な軌跡を綴った、西川美和監督のみごとな人間喜劇。

『春江水暖~しゅんこうすいだん』は中国の新たな才能に脱帽させられる、市井の移ろいを描いた人間絵巻。

『象は静かに座っている』のフー・ボーや『凱里ブルース』のビー・ガンをはじめ、近年、中国映画の若手監督たちの台頭が目覚しい。いずれも監督第1作が大きな注目を集め、絶賛されている。  残念ながら、フー・ボーはこれが遺作となっ … 続きを読む 『春江水暖~しゅんこうすいだん』は中国の新たな才能に脱帽させられる、市井の移ろいを描いた人間絵巻。

『天国にちがいない』は現在の世界を風刺の効いたユーモアで問いかけた、極私的コメディ。

 世界には動向が気になる、個性際立つ映画監督が何人もいるが、本作の監督エリア・スレイマンは間違いなくその一人だ。  スレイマンは生まれたのはパレスチナながら、イスラエルが建国宣言をした後だったので、必然的に“パレスチナ系 … 続きを読む 『天国にちがいない』は現在の世界を風刺の効いたユーモアで問いかけた、極私的コメディ。

『KCIA 南山の部長たち』は実話をもとにしたタイトでスリリングなポリティカル・サスペンス。

 近年、韓国映画界の好調ぶりを実感できるような作品が次々と公開されているが、本作も見応えある仕上がりとなっている。韓国の歴史を大きく揺るがした実際の事件に材を取った作品で、本国では2020年公開作品の興行収入第1位の成績 … 続きを読む 『KCIA 南山の部長たち』は実話をもとにしたタイトでスリリングなポリティカル・サスペンス。

『43年後のアイ・ラヴ・ユー』は人生の無常のなかで愛する心を称えた、温もりに満ちたラヴストーリー。

 コロナ禍によって派手なアメリカ映画大作が公開を見送る流れとなったおかげで、小ぶりながら内容の濃い作品が脚光を浴びるようになったのは嬉しい限りだ。映画館が毎日、上映するためには、ある程度の数の映画が必要だ。アメリカ、非ア … 続きを読む 『43年後のアイ・ラヴ・ユー』は人生の無常のなかで愛する心を称えた、温もりに満ちたラヴストーリー。

『チャンシルさんには福が多いね』は韓国映画界の女性監督の台頭を実感させてくれる、素敵な人間喜劇。

 昨年は『パラサイト 半地下の家族』がアメリカ・アカデミー賞の作品、監督、脚本、国際長編映画賞の4部門を制覇するとともに、興行的にも成功した。韓国映画の実力の高さをコアではない映画ファンにも広く知らしめることとなり、注目 … 続きを読む 『チャンシルさんには福が多いね』は韓国映画界の女性監督の台頭を実感させてくれる、素敵な人間喜劇。

by Takaki Inada