「新作紹介」カテゴリーアーカイブ

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は20世紀アメリカ文学の異端児の軌跡を綴る、素敵なドキュメンタリー。

 伝記ドキュメンタリーの面白さは、当たり前のことだが、軌跡を辿る人物の魅力に左右される。見る者を惹きこむような偉業を成した人物、あるいはスキャンダラスな軌跡を歩んだ存在であれば思わず食指が伸びるはずだ。  本作は題名を見 … 続きを読む 『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は20世紀アメリカ文学の異端児の軌跡を綴る、素敵なドキュメンタリー。

『罪の声』は昭和に起きた実際の事件に材を取った傑作ミステリーの映画化!

“令和”の時代になってみると、“昭和”はもはや時代劇のようなセピア色のイメージを持たれている。間に“平成”の30年間が存在を主張しているのだから無理はない。30歳前後の世代は“昭和”など知らないからこそ、異世界のように感 … 続きを読む 『罪の声』は昭和に起きた実際の事件に材を取った傑作ミステリーの映画化!

『おもかげ』はスリリングで予断を許さない、ひとりの女性が辿る愛についてのサスペンス。

 コロナ禍によって、アメリカン・メジャーの新作は、『テネット』を除いて次々と公開延期となり、日本で公開される作品数も激減している。一方で、シネマコンプレックスをはじめ映画館は映画興行の灯を絶やすなとの思いで、旧作の上映を … 続きを読む 『おもかげ』はスリリングで予断を許さない、ひとりの女性が辿る愛についてのサスペンス。

『博士と狂人』は世界最高峰の辞典の誕生に秘められた、愛憎と友情に彩られた実話の映画化。

 あらゆることばや物事を集めて、徹底的に意味と用法を調べ上げ、明快かつシンプルに解説する――およそ辞書の編纂ほど大変な作業はない。だからこそ仕上げたときの喜びはこの上なく大きいという。  辞書編纂を題材にした作品となると … 続きを読む 『博士と狂人』は世界最高峰の辞典の誕生に秘められた、愛憎と友情に彩られた実話の映画化。

『82年生まれ、キム・ジヨン』は現代女性の生き辛い現実を細やかに描き出した、心に残る一品。

 カンヌ国際映画祭パルム・ドールにアカデミー賞作品賞の受賞という、映画界を代表する二大祭典を制覇した『パラサイト 半地下の家族』によって、韓国映画に対する注目度は一気に高まったといえる。これまでも韓流ドラマは数多く放映さ … 続きを読む 『82年生まれ、キム・ジヨン』は現代女性の生き辛い現実を細やかに描き出した、心に残る一品。

『オン・ザ・ロック』はソフィア・コッポラとビル・マーレイが幸せな余韻に誘う、ニューヨーク的コメディ。

 2003年に発表された『ロスト・イン・トランスレーション』はソフィア・コッポラの監督としての才能を広く知らしめた作品だった。  東京・新宿の高級ホテル、パーク ハイアット東京を舞台に、落ち目の初老ハリウッド俳優と写真家 … 続きを読む 『オン・ザ・ロック』はソフィア・コッポラとビル・マーレイが幸せな余韻に誘う、ニューヨーク的コメディ。

『ある画家の数奇な運命』は混乱した時代を生き抜いたドイツ人芸術家の感動のストーリー。

 1989年にベルリンの壁が崩壊し、1990年10月3日にドイツが再統一してから30年の月日が経つ。経済力の弱い旧東ドイツと統合したにも関わらず、今やドイツはヨーロッパ随一の国力を有している。  敗戦国として戦争責任を今 … 続きを読む 『ある画家の数奇な運命』は混乱した時代を生き抜いたドイツ人芸術家の感動のストーリー。

『鵞鳥湖(がちょうこ)の夜』はビターでスタイリッシュな中国製フィルムノワール!

 北京や上海などの華やかな大都市に焦点を当てるのではなく、置き忘れられたような地方都市や町を舞台にした中国映画に傑作が多い。ざっと頭に浮かべただけでも、『帰れない二人』をはじめとするジャ・ジャンクーの一連の作品、フー・ポ … 続きを読む 『鵞鳥湖(がちょうこ)の夜』はビターでスタイリッシュな中国製フィルムノワール!

『TENET テネット』はクリストファー・ノーランが仕掛ける、大画面で見るべき圧巻のSFエンターテインメント!

『バットマン・ビギンズ』から幕を開けた“バットマン三部作”の頃より、クリストファー・ノーラン作品は常に観客を惹きつけて止まない。どの作品も驚くべきアイデアとヴィジュアル・インパクトを誇り、観客たちを驚嘆させる。  潜在意 … 続きを読む 『TENET テネット』はクリストファー・ノーランが仕掛ける、大画面で見るべき圧巻のSFエンターテインメント!

『パヴァロッティ 太陽のテノール』は美しい歌声に心ゆくまで浸れる素敵なドキュメンタリー。

 近年、伝説的なアーティストを題材にした音楽ドキュメンタリー作品が増えている。貴重な映像とともに、巨匠たちが劇場いっぱいに蘇る喜びは何物にも代えがたい。これが、音楽ドキュメンタリーが数多く製作される所以でもある。  世界 … 続きを読む 『パヴァロッティ 太陽のテノール』は美しい歌声に心ゆくまで浸れる素敵なドキュメンタリー。