inadatakaki のすべての投稿

1948年生まれ。映画解説者  雑誌の編集から原稿をを書くようになり、現在に至る。

『ペンギン・ハイウェイ』は少年の成長を描く、瑞々しい感性に彩られファンタジー・アニメーション。

 アニメーションの担い手がクローズアップされるたびに、日本のアニメーションの層の厚さを知る。一昨年の『この世界の片隅に』を手がけた片渕須直や『君の名は。』の新海誠は既に実力を謳われていた存在だったが、本作の監督・石田祐康 … 続きを読む 『ペンギン・ハイウェイ』は少年の成長を描く、瑞々しい感性に彩られファンタジー・アニメーション。

『オーシャンズ8』は豪華な出演者が妍を競う、理屈抜きに楽しいクライム・アクション。

 昔の映画界でよく使われた惹句に「オール・スター・キャスト」というフレーズがあったが、2001年に製作された『オーシャンズ11』はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、ジュリア・ロバーツをはじめ大物ス … 続きを読む 『オーシャンズ8』は豪華な出演者が妍を競う、理屈抜きに楽しいクライム・アクション。

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』はアクションに次ぐアクション、息もつけない快作だ。

 トム・クルーズの人気アクション・シリーズの最新作はいつも驚きに満ちている。それにしても感心させられるのはクルーズの意識の高さだ。自分がスターとしての地位を維持するためには何を成すべきかを完全にわかっている。  このシリ … 続きを読む 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』はアクションに次ぐアクション、息もつけない快作だ。

『インクレディブル・ファミリー』は痛快この上ない、ピクサー製一家団結アドベンチャー!

 ピクサー・スタジオが製作するCGアニメーションは常にユニークなキャラクターとアイデアに満ちたストーリーを誇っている。他のスタジオのアニメーション作品と一線を画すべく、アイデアと技術を結集させているのは老舗の意地。アニメ … 続きを読む 『インクレディブル・ファミリー』は痛快この上ない、ピクサー製一家団結アドベンチャー!

『ウインド・リバー』はアメリカの恥部を抉った、緊迫感に満ちた傑作クライム・サスペンス!

 第70回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」の監督賞に輝いた作品だ。  脚本・監督のテイラー・シェリダンは俳優から脚本家に転進。本作が監督としての2作目である。俳優としてはテレビシリーズが中心で、それほど際立った存在とはい … 続きを読む 『ウインド・リバー』はアメリカの恥部を抉った、緊迫感に満ちた傑作クライム・サスペンス!

『未来のミライ』は細田守が挑む、家族についての野心的なファンタジー・アニメーション。

 ヴィヴィッドな『時をかける少女』で幅広く認知されて以来、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』と、細田守が送り出す作品は常に高い評価を受けてきた。『時をかける少女』は原作があるが、それ以降の作 … 続きを読む 『未来のミライ』は細田守が挑む、家族についての野心的なファンタジー・アニメーション。

『ジュラシック・ワールド 炎の王国』は恐竜が大挙して暴れまわる、王道エンターテインメント!

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』や『ランペイジ 巨獣大乱闘』をはじめとして、今年はエンターテインメントに徹した快作が目立つ。余分な理屈は語らず、ヴィジュアル・インパクト本位。ただひたすら面白さを追求する姿勢が … 続きを読む 『ジュラシック・ワールド 炎の王国』は恐竜が大挙して暴れまわる、王道エンターテインメント!

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は“性差をかけた戦い”の幕開けを描いた、傑作ヒューマン・コメディ。

『ラ・ラ・ランド』でアカデミー主演女優賞に輝いたエマ・ストーンが、『40歳の童貞男』でブレイクし近年は『フォックスキャッチャー』や『30年後の同窓会』などでシリアス演技も絶賛されるスティーヴ・カレルと競演した、事実をもと … 続きを読む 『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は“性差をかけた戦い”の幕開けを描いた、傑作ヒューマン・コメディ。

『ワンダー 君は太陽』は本当の意味で絆とは何かを考えさせる、温もりに満ちたドラマ。

 全世界で800万部を超える売り上げを記録した、R・J・パラシオの処女小説の映画化である。日本でも「ワンダー」の邦題で翻訳されているこの小説は、遺伝子疾患をもって生まれてきた少年と家族の物語だ。 “ああ、難病をもった子供 … 続きを読む 『ワンダー 君は太陽』は本当の意味で絆とは何かを考えさせる、温もりに満ちたドラマ。

『30年後の同窓会』は過酷な体験をしたアメリカの男たちに捧げた、リチャード・リンクレーターの感動の人間ドラマ。

 考えてみれば、第2次大戦以降、アメリカが戦争に関与しなかった時期はなかったといえる。自由主義のリーダーよろしく、朝鮮、ベトナム、グレナダ、パナマ、湾岸戦争、ソマリア、ハイチ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、アフガニス … 続きを読む 『30年後の同窓会』は過酷な体験をしたアメリカの男たちに捧げた、リチャード・リンクレーターの感動の人間ドラマ。