『パリのどこかで、あなたと』は人と人との絆を軽妙に問いかけた、心優しき愛のコメディ。

 フランス映画の歴史をひも解けば、無声映画時代のアベル・ガンスやルネ・クレール、ジャン・ルノワールの昔から、フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダールなどのヌーヴェル・ヴァーグの匠たちなどが頭に浮かぶが、近年に … 続きを読む 『パリのどこかで、あなたと』は人と人との絆を軽妙に問いかけた、心優しき愛のコメディ。

『ニューヨーク 親切なロシア料理店』は、不寛容な時代なればこそ触れ合いが大切だと教えてくれる人間喜劇。

 他人に対する興味や思いやりが失われた社会で、私たちは閉塞感のなかで余裕なく生きている。これまでは人と人とが接して密なる関係を紡ぐことで、ハードな世界を生き抜いてきたが、コロナ禍でそれさえも許されなくなってしまった。   … 続きを読む 『ニューヨーク 親切なロシア料理店』は、不寛容な時代なればこそ触れ合いが大切だと教えてくれる人間喜劇。

『サイレント・トーキョー』は迫力十分、リアルな味付けの疾走するクライムサスペンス。

 コロナ禍によって、これまでの常識が一切覆ってしまった。  人と人とのつきあいもソーシャル・ディスタンスとやらを求められ、口角泡を飛ばす議論などとんでもない。対角線に座って、食事を口に運んだらマスクをすること。出来るだけ … 続きを読む 『サイレント・トーキョー』は迫力十分、リアルな味付けの疾走するクライムサスペンス。

『ボルケーノ・パーク』は火山大噴火をクライマックスにした問答無用の中国製パニック・スペクタクル!

 もはや中国の映画市場は世界最大となっている。アメリカ映画界はとっくに日本を見限り、プロモーションでも何でも中国優先のスタンスをとっている。少しでも中国人が喜ぶように中華系のキャラクターを作品に登場させることから始まって … 続きを読む 『ボルケーノ・パーク』は火山大噴火をクライマックスにした問答無用の中国製パニック・スペクタクル!

『THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~』は震戦に住む思春期の少女に焦点を当てた、瑞々しい成長の物語。

 昨年あたりから香港が騒がしい。それもこれも香港を本土並みの統制下におきたい中国政府が、一国二制度のルールに踏み込んできたことに起因する。そもそもこの制度自体に無理があったのは自明のことだ。  本作は一国二制度によって起 … 続きを読む 『THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~』は震戦に住む思春期の少女に焦点を当てた、瑞々しい成長の物語。

『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は20世紀アメリカ文学の異端児の軌跡を綴る、素敵なドキュメンタリー。

 伝記ドキュメンタリーの面白さは、当たり前のことだが、軌跡を辿る人物の魅力に左右される。見る者を惹きこむような偉業を成した人物、あるいはスキャンダラスな軌跡を歩んだ存在であれば思わず食指が伸びるはずだ。  本作は題名を見 … 続きを読む 『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は20世紀アメリカ文学の異端児の軌跡を綴る、素敵なドキュメンタリー。

『罪の声』は昭和に起きた実際の事件に材を取った傑作ミステリーの映画化!

“令和”の時代になってみると、“昭和”はもはや時代劇のようなセピア色のイメージを持たれている。間に“平成”の30年間が存在を主張しているのだから無理はない。30歳前後の世代は“昭和”など知らないからこそ、異世界のように感 … 続きを読む 『罪の声』は昭和に起きた実際の事件に材を取った傑作ミステリーの映画化!

『おもかげ』はスリリングで予断を許さない、ひとりの女性が辿る愛についてのサスペンス。

 コロナ禍によって、アメリカン・メジャーの新作は、『テネット』を除いて次々と公開延期となり、日本で公開される作品数も激減している。一方で、シネマコンプレックスをはじめ映画館は映画興行の灯を絶やすなとの思いで、旧作の上映を … 続きを読む 『おもかげ』はスリリングで予断を許さない、ひとりの女性が辿る愛についてのサスペンス。

『博士と狂人』は世界最高峰の辞典の誕生に秘められた、愛憎と友情に彩られた実話の映画化。

 あらゆることばや物事を集めて、徹底的に意味と用法を調べ上げ、明快かつシンプルに解説する――およそ辞書の編纂ほど大変な作業はない。だからこそ仕上げたときの喜びはこの上なく大きいという。  辞書編纂を題材にした作品となると … 続きを読む 『博士と狂人』は世界最高峰の辞典の誕生に秘められた、愛憎と友情に彩られた実話の映画化。

『82年生まれ、キム・ジヨン』は現代女性の生き辛い現実を細やかに描き出した、心に残る一品。

 カンヌ国際映画祭パルム・ドールにアカデミー賞作品賞の受賞という、映画界を代表する二大祭典を制覇した『パラサイト 半地下の家族』によって、韓国映画に対する注目度は一気に高まったといえる。これまでも韓流ドラマは数多く放映さ … 続きを読む 『82年生まれ、キム・ジヨン』は現代女性の生き辛い現実を細やかに描き出した、心に残る一品。

by Takaki Inada