『ダム・マネー ウォール街を狙え!』はアメリカでコロナ禍で起きた痛快な実話コメディ!

 ふり返ってみると、コロナ禍は人間社会に決定的な影響を与えた。  大きかったのは未知の病を恐れるあまり、人と人との関係に壁を作ってしまったことにある。親しく接することが憚られ、人と会うこともままならない状態が長く続いた。 … 続きを読む 『ダム・マネー ウォール街を狙え!』はアメリカでコロナ禍で起きた痛快な実話コメディ!

『哀れなるものたち』はヨルゴス・ランティモスが描く、過激で痛快な女性の一代記。

 オリジナリティを重んじる分野では、唯一無二というか、他人と異なる個性の持ち主が脚光を浴びがちだ。個性的なものすべてが素晴らしいとはいえないが、なかにはこれまでのセオリーを塗り替えるような作品も出てくる。  個性が百花繚 … 続きを読む 『哀れなるものたち』はヨルゴス・ランティモスが描く、過激で痛快な女性の一代記。

『ゴールデンカムイ』は北海道を舞台にした、大ヒットを狙う壮烈アクション!

 もはや人気コミックを原作にすることが映画のヒットの前提条件になっているかのようだ。ヒットを重ねている『キングダム』の例を挙げるまでもない。認知度の高さが興行を大きく左右するのは自明のことだ。  そのセオリーを熟知してい … 続きを読む 『ゴールデンカムイ』は北海道を舞台にした、大ヒットを狙う壮烈アクション!

『燈火(ネオン)は消えず』は今はなき情緒にあふれた香港を懐かしむ、細やかな愛のドラマ。

 20世紀の香港は通り狭しと突き出た極彩色のネオンが夜のトレードマークだった。猥雑で人間味豊か、温もりを感じさせ雰囲気が通りに満ちていた。だが、それも中国本土に返還されるまでのこと。本土の意向に沿って、香港は無機質な近代 … 続きを読む 『燈火(ネオン)は消えず』は今はなき情緒にあふれた香港を懐かしむ、細やかな愛のドラマ。

『シャクラ』は香港アクションがさらなる高みに至った、ドニー・イェンの武侠大作!

 香港映画のアクションが秀でていることはつとに知られている。今でこそVFXやCGを併用しているが、ワイヤーワークを駆使した殺陣の素晴らしさは他の追従を許さなかった。世界的に注目されるようになったのはブルース・リーの頃から … 続きを読む 『シャクラ』は香港アクションがさらなる高みに至った、ドニー・イェンの武侠大作!

『サンクスギビング』は弾けた恐怖描写でニヤリとさせられるイーライ・ロスの最新作!

 ホラー映画、スラッシャー映画には話題性を煽る要素が必要だ。名作のリメイクとか、「全米で失神者続出!」の惹句などは何とか差別化せんとの思いの表れだ。  本作の場合はクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが20 … 続きを読む 『サンクスギビング』は弾けた恐怖描写でニヤリとさせられるイーライ・ロスの最新作!

『PERFECT DAYS』は往年の日本映画の機微に満ちた、ヴィム・ヴェンダース作品。

 ヴィム・ヴェンダースの名を知ったのは、未だドイツが東西に分断されていた、1970年代後半だった。当時、西ドイツの若手監督たちが個性的な作品を次々と生み出すムーブメントが起こった。作品は“ニュー・ジャーマン・シネマ”と呼 … 続きを読む 『PERFECT DAYS』は往年の日本映画の機微に満ちた、ヴィム・ヴェンダース作品。

『ポトフ 美食家と料理人』はトラン・アン・ユンが繊細かつ美しく描き出した料理礼賛映画!

 トラン・アン・ユンの名が鮮烈に焼き付いたのは1993年、監督デビュー作『青いパパイヤの香り』がカンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を受賞してからのことだ。ヴェトナムの出自であることも話題になった。  もっともヴ … 続きを読む 『ポトフ 美食家と料理人』はトラン・アン・ユンが繊細かつ美しく描き出した料理礼賛映画!

『枯れ葉』はアキ・カウリスマキが5年ぶ入りに生み出した、そう若くもない男女の恋の物語。

 オフビートなユーモアとともに市井のドラマが控えめに語られる。フィンランドの匠アキ・カウリスマキの温もりのある個性は世界中から愛されてきた。  1989年の『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』からはじまって1 … 続きを読む 『枯れ葉』はアキ・カウリスマキが5年ぶ入りに生み出した、そう若くもない男女の恋の物語。

『ナポレオン』はリドリー・スコットとホアキン・フェニックスが奏でる軽やかな歴史絵巻。

 映画界には新作が気になる存在がいる。クリント・イーストウッドのような重鎮がそうだし、題材を選ばぬ多彩な作品歴の持ち主も大いに気になる。  その好例が一作ごとに話題を呼ぶリドリー・スコットだろう。2021年に実録ドラマ『 … 続きを読む 『ナポレオン』はリドリー・スコットとホアキン・フェニックスが奏でる軽やかな歴史絵巻。

by Takaki Inada